紀要『生命と倫理』第7号を発行

 

 

 

 

 

 

 

 

紀要『生命と倫理』第7号を発行いたしました。


巻頭言  奥田純一郎 (上智大学)

論文 1
「釣り合いの取れた状態」は客観的判断基準たり得るか?本人意思不在の場合における代諾の基礎づけに向けた予備的考察
秋葉 峻介(山梨大学)

論文 2
フランスにおける生命倫理法の位置づけ:一般社会規範から法規範へ
滝沢  正(上智大学名誉教授)

2019年度 講演会・シンポジウム概要報告

投稿規程・執筆要綱

 

奥田所員の共編著書が出版されました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奥田純一郎所員による共編著書が出版されました。

『製薬と日本社会 創薬研究の倫理と法』
 奥田純一郎/深尾立[共編]  上智大学出版

創薬の社会的使命、責任とは?すべての関係者の共同討論の第一歩。(本書帯より)

奥田所員のほか、弊研究所では寺岡慧客員所員、磯部哲客員所員、町野朔客員研究員が執筆を担当いたしました。

 

詳細はこちらを御覧ください。

 

新聞記事に、青木所員の見解が掲載

中国では、動物クローン実験や応用が進み、特に犬や猫といったペットのクローン技術は近年、商業化されています。この現状に対して、倫理上の問題はないのか、今後、クローン技術が進んでいく中、どのような課題があるかについて、中国駐在の東京新聞の記者より、当研究所の青木名誉所員に取材依頼があり、記事内で意見が掲載されました。

記事では、生命科学の発展が顕著な中国の現状に触れ、一般向けに「クローン犬」「クローン猫」を作っている北京の企業の例を紹介。そして、利用者の喜びの声がある一方、中国ネット上で疑問の声も上がっていることに言及しています。この現状に対する専門家の意見として、青木所員は以下のように述べています。

<日本生命倫理学会の元会長、青木清・上智大名誉教授(動物行動学)は、「クローン技術は研究利用に限るべきだ。商業利用がどんどん進めば、生命の尊厳や生物の多様性を冒す」と警鐘を鳴らす。
青木氏は「ペットが死に飼い主が悲しみに暮れるのは、生命がかけがえのない存在だと分かっている証拠だ。なのにお金でクローンを買うのは、生命の尊厳を否定する行為だ」と言い切る。>
(東京新聞2020年1月6日版「クローンペット  中国でビジネス〜死別の悲しみ癒やす/命の尊厳脅かす」より引用)

青木所員は、別の寄稿でも、あらゆる生命体を遺伝子レベルや細胞レベルで操作することが可能となった現代において、生命科学技術の使い方を誤ることのないよう、「生命倫理」の重要性を説いています。
「生命倫理」は、人間の生命に直接関わる科学技術を内包する生命科学、医学、さらにはDNA操作にかかわるすべての研究者が理解し、学ぶ必要がある学問である、それは、生命倫理は人間の尊厳を守り、人間の生存を守る未来の架け橋であるからとしています。